東京オリンピック

9月8日未明、2020年東京オリンピックの開催が決まりました。ブエノスアイレスとの時差は約12時間ありますので、深夜から早朝にかけて開催の決定の瞬間を固唾を飲んで見守った方々は、さぞお疲れだと思います。東京の開催決定に本当におめでとうございます。よくやったなと思い、2020年に東京オリンピックを見るのを楽しみにしております。

中医学では、一日を陰と陽に分けて考えています。太陽が昇るころから太陽が沈むまでを「陽」、太陽が沈んでから、また太陽が昇るまでを「陰」とします。決定の一方が入ったころは早朝の5時頃とあって、この時間帯は、陰が極まりから陽に転化する時間帯です。この時間帯に興奮が続けば陰陽のバランスを崩す恐れがあります。

今日からは生活のリズムを取り戻しましょう。

Posted in ブログ, 中医学アカデミー | Leave a comment

耳鳴と耳聾 腎虚しかない?

耳鳴と耳聾は、中医内科学に属する病証で共に聴覚に異常が生じる病気です。西洋医学では耳の病気は耳鼻咽喉科へと言われてしまいますが、中医では病気の範囲が広いのが特徴です。

アカデミーの練習問題には、これらの病証に関する問題があります。「耳聾には実証があるか、ないか」を問う問題です。「耳聾」の病因病機は5種挙げられますが、一般的に「耳が遠くなる」なる場合は、腎虚と判断し六味丸、金匱腎気丸、海馬補腎丸などの補腎剤を勧め、かえって症状を悪化させることがあります。
弁証の際には、耳聾と耳鳴の虚実の鑑別を行うという弁証原則を覚えてください。

Posted in 中医学アカデミー, 過去問題解説 | Leave a comment

ドライマウス 白虎加人参湯と五苓散の鑑別

ドライマウスに関して中医学では、五つの証型を紹介しました。
弁証論治の内容は非常に多いので、ここでは保険適用の漢方薬である白虎加人参湯と五苓散の鑑別原則を紹介したいと思います。

白虎加人参湯の鑑別特徴の口渇は、水を飲んでも渇きが取れず、大量に冷たい水を欲します。
一方、五苓散の鑑別特徴では口の渇きを訴えるものの水をそれほど欲することがなく、むしろ無理に水を飲むと吐き気を生じます。
随伴症状で小腹脹満、排尿不利などがある場合、も苓散を投与しても良いです。
一言で「ドライマウス」と言っても訴える症状のポイントをしっかり掴まなければ、選択を誤ります。

Posted in 中医学アカデミー, 中西医結合, 漢方薬 | Leave a comment

ドライマウス 漢方治療

当アカデミーの受講者の中には、歯科医師も学ばれています。
日本で歯科医師が扱える保険適用漢方薬は、白虎加人参湯、五苓散等でそれほど多くないそうですが、ドライマウスの患者さんには積極的に使ってみたいと考えているそうです。

ドライマウスは「口腔乾燥症(英文Xerostomia)」で、種々の原因によって唾液の分泌量が低下し口腔内が乾く歯科疾患の一つだそうです。
中医学では、ドライマウスは主に燥熱陰虚、燥熱血瘀、湿毒化燥、気陰両虚、陰陽両虚、肝鬱気滞などの病理変化があると考えています。

白虎加人参湯は燥熱陰虚に、五苓散は湿毒化燥の治療に使用しても良いですが、燥熱血瘀、陰陽両虚及び肝鬱気滞の治療にはいずれも適切な薬とはいえません。

ドライマウスの弁証論治では、まず虚実、寒熱、表裏を鑑別することが大切です。二つの漢方処方だけで対応して治療する場合に、治療を誤る可能性が高いと思います。

燥熱陰虚の舌象
乾燥証の舌診

Posted in 中医学アカデミー, 中西医結合, 漢方薬 | Leave a comment

帯状疱疹の弁証論治の分析

先ほど、前日に紹介した帯状疱疹の症例について、

国際中医師アカデミー受講者へ症例の詳しい情報、弁証要点と診断の誤りなどの解釈を送りました。

ログインの上、その内容を確認して考えてみてください。

Posted in 中医学アカデミー, 漢方症例, 漢方薬 | Leave a comment

北京 Wi-Fi事情

        

中国を訪問することの多い私にとってネットの環境は気になる所です。
定宿にしている宝辰飯店でも今年6月から全部屋無料でWi-Fiが使えるようになっていました。

セッティングも簡単で仕事の効率が一段とよくなりました。一昔前のことを考えると変化の速さに目をみはるばかりです。

北京でもMixi、アメブロなどにアクセスすることが出来ますが、

残念なことにFacebookはアクセスが拒否されます。ちょっと残念ですね。Gmailは読めます。



2013-08-16 09.41.46

Posted in ブログ | Leave a comment

中医学 悪寒

中医学にも悪寒という言葉があります。
国際中医師アカデミーの練習問題に、「悪寒とは、患者が寒気を感じる感覚を指す。 正しい 誤っている」という問題があります。どちらが正しいでしょうか。

臨床では、寒気という症状を悪寒と認識する傾向があります。

しかし、悪寒は、外感表証或は裏寒証にみられる症状のひとつです。

裏寒証の特徴は但寒不熱で、表証の特徴は発熱悪寒です。裏寒証では、寒邪直中と虚寒があり虚寒の特徴は畏寒です。

この問題が解れば、悪寒の特徴を通して表証か裏証かを正確に判断できるようになると思います。


専門用語への理解が満足でなければ、誤った漢方薬の選択に繋がります。

悪寒の写真
中国百度から

Posted in 中医学アカデミー, 過去問題解説 | Leave a comment

中華料理 脾虚 参苓白朮散

中国で食べる中華料理は、日本の中華料理とは「似て非なるもの」です。高級レストランで頂く料理も、町の小さな食堂で食する料理にしても、美味しい料理に出会えるのは旅の楽しみです。

中国を訪問したことがある方は経験したことがあるかもしれませんが、二~三日で中華を食べ続ける場合、最初は美味しく食べられるのに、次第に食欲低下、軟便或いは下痢、お腹が張り或いは腹痛等の症状が出てくる話をよく聞きます。

中国では消化を助けるために羊羹の薄切りのようにした山楂子を食べます。この程度で食欲が改善するなら問題はありませんが、もし効果が得られない場合は、脾気虚の可能性を考慮しましょう。

脾気虚は、筋力が弱い、疲れやすい、食べ合わせが悪い、油っぽい料理を食べるとすぐに便が緩む、嘔吐或いは吐き気が生じやすい等の症状が多く見られます。

脾気虚であれば治療薬は、参苓白朮散で対応した方が良いと思います。

中国でも参苓白朮散は手に入れやすい漢方薬のひとつです。

中国に行った場合、美味しい中華を食べ続けるためにまず漢方薬局に行って、この薬(写真)を購入して飲んでくださいね。
食べ過ぎた後に、健胃消食片も効果的です。

      健胃消食片と参苓白朮散の写真
健胃消食片JPG

Posted in 中医学アカデミー, 中西医結合, 漢方薬 | Leave a comment

帯状疱疹の症例 陽虚 竜胆瀉肝湯

先日、帯状疱疹の病理特徴は肝胆湿熱及び肝鬱化火で、湿熱や熱毒が皮膚に溢れだすと書きましたが、大変貴重な症例を見つけましたのでご紹介したいと思います。

この症例の写真は、皮膚の赤みの状態から実熱のようにみられますが、舌色から見ると、気血不足或いは脾腎陽虚の可能性が考えられます。

このような場合に「竜胆瀉肝湯」を用いたため、症状を悪化させてしまったそうです。

この病気にこの漢方薬といった方程式をつくってはいけません。どんな病証はあくまでも弁証論治によって、病気の性質、程度、部位、流れをチェックし相応しい治療を提供してください

 帯状疱疹皮膚2 20130831__7471

帯状疱疹舌診 20130831__7472

Posted in 中医学アカデミー, 漢方症例, 漢方薬 | 46 Comments

帯状疱疹 肝火 湿熱 竜胆瀉肝湯

夏の終わり頃になると帯状疱疹を発症する方が増えるそうです。
中医学では、帯状疱疹を蛇串瘡(じゃせんそう)といい、中医外科学に属する病気です。
蛇串瘡の病理特徴は主に肝胆湿熱及び肝鬱化火で、湿熱や熱毒が皮膚に溢れだすと発症に至ります。高齢や体が弱く、血虚肝旺、湿熱毒盛、気血凝滞が常に見られることが原因になります。

これは、夏は暑邪が多く、暑邪は火邪と湿邪が混じるもので、気と津液等を傷つけて、気血不足などにより体に入りやすく、肝の経絡に入り肝火旺盛の状態になると、帯状疱疹に罹ると考えています。

内服治療では、竜胆瀉肝湯はメイン処方として用いられますが、日本で流通するエキス剤は生薬の構成内容が異なる製剤がありますので、詳しい方に相談してください。また、肝臓の陰血等の状況をチェックする必要があります。

Posted in ブログ, 中医学アカデミー, 漢方薬 | 60 Comments