スポーツ選手 瘀血の原因

私は、スポーツが大好きでスポーツ番組をよく見ます。なかでも私は福原愛さん、松井秀樹さんのファンです。スポーツ番組では選手の表情もよくみられるので、観察する意味でもよく見ています。

時々選手の顔をみていると、唇、歯茎や舌色が紫っぽい方をかなり見ます。紫色や黒ずんだ色は、血流が悪く瘀血の印とする色です。
プロ選手のトレーニング方法についてわかりませんが、瘀血を生じる原因として、外傷、肝鬱気滞、気虚、腎虚などが挙げられます。
腎虚と気虚の原因は、トレーニングの量が多く体の精気を傷耗しすぎる可能性が高いと考えられますので、適度に体の精気を補いながら体力と運動量の調節が必要だと思います。

肝鬱気滞の原因は競争や実績などの不安要素が多く、過度にストレスが高まり、うまく取り除けない可能性が考えられます。
現役時代には、体の不調や異変には気が付かないことが多いのですが、30代後半から、疲労が取れない、白髪が増える、腰の怠さ、同じ運動量でも疲れやすい、胃腸及び月経不順などが段々現れるようになったら、その原因は、精気不足による瘀血が考えられます。

希望ですが、トレーニングの効果をあげるために、栄養学の専門家による管理は勿論ですが、中医学の知識も取り入れて欲しいと思っています。中医学では、体の精気及び瘀血などの意味を深く理解でき、選手の陰陽、五臓、気血、精気などの状態を理解し、適切なアドバイスが行えます。
日本では、中医学の学習を修めた方達は「国際中医師」として活躍しています。

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気温差と衛気

先日、猛暑と気温差に関する話をテレビで放送していました。
この話のポイントの一つは、人間が対応出来る温度差は7度以内だと説明していました。例えば室外の温度が33度の場合は、室内の温度を26以上に設定したほうがよいそうです。7度以上の温度差があると、自律神経の調節がうまくできず、体が冷えると感じ、体調が崩れる可能性が高まるそうです。

中医学では、体温を調節する主な役割に担っているものを「衛気」だと考えています。衛気が足りなかったり、働きが故障したりする場合、体温の調節がうまくできなくなります。

また毛穴の開閉の調節も故障する可能性が高く、上手に汗をかくことができなくなります。もともと衛気が不足している場合には、たとえ温度差が7度以内でも上記の症状が現れる可能性が高く、また風邪を引きやすく、冷え、肩こり、急に疲れる、急に体が重く感じる等の症状が見られます。

「衛気」を補いながら、調節の出来る漢方薬の代表方剤は「玉屏風散」(ぎょくへいふさん)です。


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世界中医薬学会連合会訪問 国際中医師試験

北京滞在中に、世界中医薬学会連合会を訪問しました。
我々にとってこの訪問は、国際考試部の責任者と常時交流するために大切な仕事です。

先日世界中医薬学会連合会より2014年から、国際中医師の質を向上させるために、試験難易度を上げて、国際中医師統一試験を行う予定である旨の通達を受け取りました。

国際中医師の質を向上させる目的は、患者に対してより効果的な治療を行うためにも必要な措置であると考えます。試験に合格しても臨床に活かせないのであれば、国際中医師の意味を考えなければなりません。中医学が治療の選択肢のひとつとして患者側から選択されるようになるには、中医学を提供できる優秀な人材が必要不可欠なのです。

統一試験の目的のひとつに中医学は、基本概念及び知識の勉強の上に、更に中医学の独特な分析方法を習得する必要があると双方は考えており、この動向が日本の患者にとって有益であると同時に、国際中医師の権威性を高めるためにも良いことだと思います。

連合会訪問1連合会との会談1

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マーボー豆腐 湿邪から守る

今年の北京は、東京より湿度が高く息苦しいほどに感じました。
北京が初めての方が、中国のマーボー豆腐が食べてみたいとのことで、私たちも珍しくマーボー豆腐を頼みました。

マーボー豆腐は中国四川省の代表的なメニューです。四川省は西南部に位置し、場所によっては湿潤で温度差も高い気候が特徴の為か、麻辣味が好まれています。

蒸し暑い時期は湿熱が多く胃腸に溜まりやすいので、マーボー豆腐の麻辣味を食することで汗から湿熱を排出させられるので気持ちがよくなります。従って、中国ではマーボー豆腐は解暑料理(夏バテの予防)として、夏に多く愛用されています。

日本でも暑い時期に暖かい緑茶を飲むのとよく似ています。
食もまた因地、因時宜制を取り入れながら、旅は続きます。

写真マーボー豆腐

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少林寺拳法・カンフー伝説 中医学・陰陽五行

 北京滞在中、カンフーミュージカル(紅劇場)「功夫傳奇・カンフー伝説」を見に行きました。伝統的なカンフーの動きを取り入れたカンフーショーです。舞台の前方では、鍛えられた肉体と表情までもがみられるので、言葉が解らなくても十分楽しめます。

観劇中に感動したのは、敏捷な動きはもちろんのこと、彼らの「目つき」です。

拳法の基本は、肉体ではなく「心」にあるのだそうで、道を究めた武術家はお互いに目つきを見ればわかるという話を聞いたことがあります。
もちろん彼らは、武術を究めた方達ではありませんが、しっかりとした目からは良い印象を受けました。

中医学でも望診で最も重要なのは「目」を見ることです。心は神の宿る所であり、神が不安定であれば、精神は安定せず「目」にも現れます。神明がうつろえば精神は不健康で、また肉体も病気を招きやすくなります。
少林寺では、武術に専念するお坊さんを武僧といい、武僧は武術の他に中医学にも造詣が深いそうです。

両者の共通点は陰陽五行、臓腑、経絡等を理論土台としているそうです。それにあやかり、武僧さんの皆さんと記念写真を撮らせていただきました(料金が別途400円かかります)。本当に勉強になりました。また、見に行きます。

チケットはこちらが親切に対応してくれます。日本語も通じます。
◎ 北京散歩
http://www.pekinsanpo.com

少林寺の写真

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マラソン選手藤原正和 陰血・肝臓と腱鞘炎

世界陸上が開催されていますが、先日の番組で、マラソン選手 藤原正和さんのことを紹介していました。
色々な困難を乗り越え、モスクワ世界陸上の出場切符を手に入れ、十年ぶりに世界陸上の舞台に立つのだそうで、非常に感動しました。

番組の中で、走ることが楽しくて一生懸命にトレーニングしたものの腱鞘炎に悩まされ、奥さんが懸命に応援している話は、心が打たれました。十年前、直前の膝の故障のため欠場してから、名誉挽回のために焦り、過度な練習で故障を繰り返していたそうです。また、肝機能不全で走れなくなった時期もあると紹介していました。

腱鞘炎は、スポーツ選手の悩みの一つとして多いそうです。
世界の舞台で活躍する選手は日常的に激しいトレーニングをこなし、また成績に対する強いプレッシャーとも戦わなければなりません。
中医学では、肝は疏泄を主り、また筋を主るところでもあると考えられています。

激しい訓練と精神的な抑圧によって、肝と陰血を傷つけます。筋の働きが低下すれば、筋が聚(あつまる)膝はダメージが大きくなります
素晴らしい選手を育てるために、中医学の考え方を参考にして頂きたい・・。がむしゃらに体をいじめるような訓練方法による「傷」から守られたら良いのにと感じました。

藤原正和選手 

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米寿 後天の精 腎精

中医学には、生命力を表現する「腎精」という言葉があります。
腎精は「先天の精」と「後天の精」が含まれています。

後天の精とは、飲食物から吸収した「精気」です。後天の精が全身の活動に必要なエレネギーを供給し、体の成長に欠かせない栄養物質でもあります。また、余った後天の精が腎臓に貯蔵され「先天の精」を補います。

そのため「先天の精」を多く受け継いでも、成長に伴う生活環境が大きく影響を及ぼします。例えば陰陽のリズム乱すような昼夜逆転の生活が続いたり、食事を大切にせず好きなものだけ食べたり、適切な運動をしないなどの悪い習慣が続けば、後天の精が作られず、どんなに良い「先天の精」を受け継いでも「後天の精」に養われず腎精の量が減ってしまえば、当然健康で長生きはできません。

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景山公園からみた紫禁城の全貌

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米寿 先天の精 腎精

父の米寿を祝うため、大連に戻っていました。
長寿を祝う習慣は日本と変わりありません。
中医学では生命の誕生は「先天の精」を両親から受け継ぎ、この世に生まれると考えられています。

両親から受け継ぐ「先天の精」が健全であれば、それを受け継ぐ子供もまた健康に恵まれる可能性が高まります。

可能性が高いと表現するのは、全てのことが「先天の精」による訳では無いからです。この「先天の精」は「後天の精」により養われ、ともに腎に貯蔵さ、これを「腎精(じんせい)」といいます。この「腎精」があればあるほど、健康で長生きができると考えられています。


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父の米寿のお祝い宴会で、私の友人及び父の生徒などが父さんと楽しく交流しています。

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脾気虚と体型

中医学を学ぶと「なるほど、そうなんだ」と、思わず納得することがあります。
ダイエットに関心の高い日本では、少し痩せすぎと思える人も少なくありません。きっと食事や運動に注意しているのでしょう。

しかし、かなり痩せている人の中には、元々食欲不振で食事に関心が無い人もいれば、肥満傾向なのに食欲があまりないという方もいます。
中医学には体の状態を表す言葉に「脾気虚」があります。脾気虚の特徴のひとつは食欲不振があります。体が痩せて、食欲不振を伴う場合は単純な脾気虚の可能性が高く、これを「体痩少食」といいます。
反対に肥満で食欲不振の場合は、脾気虚に痰湿を伴う可能性が高く、これを「形盛気虚」といいます。

肥満なのに食欲がないのは一般の方からみれば考えにくいかもしれませんが、この様な方は結構たくさん見られます。
いずれも、脾気虚では「後天の精」を取り込むことができないので、なんとなく活力が足りないように見えます。

中医学の弁証論治では、単純な経験ではなく、理論として纏められた先人の経験を正確に理解して、臨床に生かします。

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ストレス解消

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先日より大連に来ています。
中国を訪れたことがあるかたなら、きっと目にしたと思いますが、中国では朝に夕に公園や広場に集まって歌を唄ったり、音楽を聴きながらダンスをしたり、それぞれ「おばちゃまダンスクラブ」を作って楽しむ姿を見ます。

このような活動を日本ではみることができませんが、体を動かし共通の楽しみを持つ方達とコミュニケーションを図る良い活動だと思います。

このような活動を通じて、一日の仕事のストレスを解消して、よく寝て明日の生活を楽しく始めることができます。
中医学から見ると、楽しく体を動かせば、仕事で生じた「気滞」が解消されます。気の働きが正常に動けば五臓の働きはバランスを保ち、精神状態も豊かなものになります。

病気を生まない為の「生活の知恵」です。

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