体操男子団体戦、またも誤審の訂正で思うこと

体操の男子団体戦の内村選手の判定で、またも誤審がありました。演技の評価が低く判定されたため、チームコーチが抗議した結果判定が覆りました。
今回のオリンピックは、このようなトラブルが多いように感じます。
中医臨床でも、審判のミスと同様なことがあります。あの時、この症状を確認すべきだったとか、何故この問診をしなかったか、などなど、「あっ」と思うことがないとはいえません。
大切なことは、問題点に早く気付き修正することです。これは中医学の腕を上達させるために欠かせない「人格」であると思います。国際中医師アカデミーで多くの問題を練習していただく目的の一つは、自分のミスをどんどんみつけて、更に深く理解し中医学の弁証論治の腕をあげられることです。
自分自身の誤りや不足に気づき、訂正し努力を続けられることが、進歩に繋がる原動力になると考えています。

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柔道男子66㎏級の試合、海老沼さんの審判で思う

昨日の、柔道男子66㎏級の試合は、審判の誤審?で何ともすっきりしない終わり方でした。最初の判定を翻す結果は、努力を積み重ねてきた選手を翻弄し、今後の柔道会の発展にも水を差すのではないでしょうか。海老沼さんが勝利を収めたことはうれしいが、このような繰り返しでは試合に臨む選手が気の毒としか言いようがありません。


中医学にも審判の誤審と同様に、「誤診」「誤治」などがあります。病気の流れ、病気の部位などを深く分析せず、或いは一生懸命に分析しても病気の診断が誤り、誤った治療施してしまうのです。この原因は主に二つあります。一つは患者の病気を治してあげたいという意欲が不足、一つは中医学の勉強が不足して正しい弁証論治が行えないことにあります。
海老沼さんの判定が覆されたことはよいことでしたが、患者に対する誤診と誤治を元に戻すことは、そう簡単ではありません。

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女性寿命「世界一」を明け渡す


国際中医師アカデミーとうぎ先生の【中医学日記】

香港のケーブルテレビ(電子版)は「長寿といえば第一に日本人を思い浮かべるが、最新のデータによると、日本人女性が26年間守ってきた“最も長生き”という座を香港の女性が奪取した」と驚きをもって報じた。というニュースを読みました。


確かに先日の香港訪問で、どの世代の人も活力に満ち溢れていることに驚きを感じました。香港在住の方達が集う「飲茶」のお店は、高齢者たちが集り、気や津液を増やす食事とお茶、そして会話を楽しむ風景をみました。内にこもりがちな日本人とは異なり、気楽に誰でもが楽しくお喋りをする環境では、ストレスの発散に繋がるのでしょうか。本当に生き生きとしていました。
中医学では、楽しく食事して、脾の運化作用が促進されることにより、営養の吸収だけではなく、老廃物の排出にも役立つと思われます。これは長生きの基本条件の一つとして考えられます。健康で長生きのために、漢方理論を活かして、自分の体質の変化を把握して、その時の体に相応しい食事や漢方薬を選べればと思います。

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「台風」は台湾からの暴風?勘違いでした

「台風」の語源は何か、雑談していたところ、私は南方、台湾の方から吹く風で「台風」と勝手に解釈していたところ、友人が「たいふ~ん」という、英語があると教えてくれました。
調べてみたら、台風は英語typhoonの訳で、中国語で台風をtaifengと発音します。勘違いをしていました。よくありませんね。
中医学の勉強では、このような現象に似ていることが多いものです。
例えば、寝ても寝ても寝足りないという現象は気虚或いは痰湿を反映する症状です。
しかし、「寝たりない」とだけ聞けば、疲労困憊の状態を想像するでしょう。私が台風を勘違いしたように、正しい意味を覚えず推測で判断し、治療すれば大きな誤りに繋がります。
漢方の相談の土台を強く確実なものにするために、中医学の勉強を怠ってはいけないのです。

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蒸し暑くなりました、西瓜と西洋人参 気陰を守りましょう

この数日、ようやく夏本番といった気候に戻り、「蒸し暑い」の一言につきます。
この「蒸し暑い」を中医学からみると、「暑熱」が非常に盛んでいる状態のことをいいます。
暑熱には、発散と熱の性質があります。この場合の発散は、元気と津液(元気が入った水分)を外へ放出してしまい熱中症をひきおこす原因になります。蒸し暑い季節の養生法は、体の元気と津液を守ることが非常に重要です。こんな日は、西瓜を食べましょう!
西瓜は、熱を冷まして津液を補うことが出来ます。
更に良い方法として、西洋人参があります。西洋人参は西瓜の効果の上に、元気を補う力が非常に強いでので、熱中症の予防や夏負けを防ぎ、元気に夏を乗り越えることができます。特に高齢者の方には、お茶にして飲んでほしい生薬の一つです。


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いじめの根本治療 中医学の本治と標治


最近、いじめから自殺に追い込まれた中学生の話題が気になります。この卑劣な行為が犯罪にまで及ぶ可能性があることが分かりました。「いじめ」という言葉は日本語を勉強したときに始めて触れた単語です。なぜ、礼儀正しく勤勉な日本人に、このようなことが起きるのか不思議でした。
中医学の治療方法の大きな特徴に、「本治」と「標治」があります。「本治」とは、病気の根本となる原因を治療し、「標治」とは、現れた現象を治療する意味を指します。
教育現場を蝕む「いじめ」の治療には、本治と標治が必要ではないでしょうか。この場合の本治の対象は子供達ではなく、教育システムや親の過度な干渉と学校側の悪い習慣にあります。教育現場では、ゆとり教育や平等だけを強調し、先生が子供たちを指導するにあたり親の過度な干渉を受けたり、また学校側の見て見ぬふりをする悪い習慣もあると思います。
人を尊敬する気持ちを育てぬまま成長すれば、痛みのわからない人間になります。そうなってからでは、どんな治療方法も役立たないでしょう。「いじめ」の現象が出てから対応する「標治」は一時に効果があるものの、いじめを生む土壌を治療する「本治」を行わなければ、何時までたっても治療効果は得られません。
甘やかされて育ち、競争力をまったく持たず、家でも学校でも悪いことをしても叱られず、人を敬うことも知らず、ぼんやり育った子供達は、社会の荒波に立ち向かうことができるのでしょうか。親も子もそして学校も自分の振る舞いを反省すべきです。


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急に下痢と嘔吐 夏場には注意!

一昨日、知人が急な下痢と腹痛があり吐き気が生じたそうです。寒気や食べ合わせが悪いこともなく、その他の症状も特に見当たらないようです。

中医学では、湿邪が脾胃に入って引き起こされる可能性が高いと考えられます。普段から胃腸が弱い人や疲労がたまっていた場合に、防壁となる体表の働きが弱まり、容易に体表を破って「湿邪」が体内に侵入してしまいます。
このような場合は、藿香香正気散(かっこうしょうきさん)を服用する必要がありますが、もし便の臭いが強い場合、藿香正気散に黄連解毒湯を加えて加減する必要があるかもしれません。
国際中医師アカデミーとうぎ先生の【中医学日記】
藿香正気散のカプセル 

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香港の情報4 漢方薬の相談にいく

日本語が通じる漢方薬局があるというので訪ねてみました。長寿園といい、観光客や駐在員が利用されるそうです。

古くからある日本の漢方薬局に少し似た店構えですが、商品構成は全く異なり、主に自社製品を多く販売されているそうで、ちょっと想像外で驚きました。しかし希望を伝えれば煎じる処方薬も出してくれます。相談の担当中医師は梁先生で、日本語で問診をして弁証論治を行います。梁先生との交流で、香港の中医師の状況などに関していろいろ聞かせて頂き、また日本の現状も紹介しました。

国際中医師アカデミーとうぎ先生の【中医学日記】
相談中の脈疹

国際中医師アカデミーとうぎ先生の【中医学日記】

処方された煎じ薬
香港に在住している日本人は多く、腕が良く、尚且つ日本語で漢方相談ができる点に高いニーズがあると感じました。

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あいうえおの「あ」から

今回の香港訪問で業務のお手伝いを現地の日本人にお願いしました。
彼の話で印象に残った話があります。彼は中国に留学する際のクラス分けテストで上級クラスに分けられたそうです。これには理由がありました。日本人は漢字が読めるので他国の生徒に比べて、漢字を見た瞬間に正しい意味が解らなくてもなんとなく想像で答えることができたそうです。幸か不幸か偶然にもテストの結果が良かったため、上級クラス入りが決まったそうです。しかし彼は全くついていくことができず、ほぼ一年間を無駄に過ごしました。あいうえおの「あ」から、しっかり勉強することの大切さを知りました。と、おっしゃていました。今では私の知る限りで、中国語が最もうまい日本人であると感じました。
中医学の学習においても、同様のケースはしばしばあります。なんとなく解ったつもりから、正しい理解へしっかりと学習を重ねましょう。


国際中医師アカデミーとうぎ先生の【中医学日記】

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香港の情報3 酒は飲まず、スープを飲む習慣


香港訪問の楽しみのひとつに食事があります。メニューにはその土地の気候などが反映されているので「なるほど」と感じます。香港のレストランは常に人であふれています。何を注文しているのか観察していると、「お酒を飲んでいない」ことに気づきました。
そうなのです!香港や広東省の方は、酒をあまり飲みません。その代わりにお茶やスープを飲みます。特に夏のこの地域の気候は、蒸し暑くその上、屋内は冷房が強くかかっており、湿と冷気を交互に受けるため発散しにくい環境にあります。
中医学からみると、夏は、体のバランスを守るために汗をかくことにより陽気を発散させることが非常に重要です。「汗がかける」ことが暑い夏を乗り切るためのポイントです。多くの方が飲むスープには冬瓜・西洋人参などが入っており、冬瓜は利水に働き、西洋人参が気と津液を補います。
香港人の習慣は非常に良いと思います。
国際中医師アカデミーとうぎ先生の【中医学日記】

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