売れない藿香正気散という

先日のブログで、知人が急に下痢と腹痛、嘔吐が生じたため「藿香正気散」を薦めたところ、体調がよくなったと報告してくれました。しかし、彼の話では近所の薬局を捜し、4件目でようやく購入できたそうです。2件の薬局では「ない」とあっさりいわれ、3件目の薬局では、「藿香正気散は売れないから在庫していない」と、言われたそうです。
彼に、藿香正気散は漢方薬局なら扱っているからと説明したのは、どうやら間違いのようでした。それにしても3件目の薬局の言い分は、少々気分が悪い。売れないのではなく、自分の知識がないから活用できないだけの話ではないだろうか・・。
腹痛にも関わらず、4件も薬局を訪ねさせてしまった友人には申し訳ないことをしたけど、結果的には元気を取り戻してくれたので、まぁ、「よし」としましょう。
患者の健康のために漢方薬を売る方は、専門的な知識を常に勉強して更に深く理解していただきたいものです。

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更に中薬と方剤を深く理解しましょう

東京は今日も陽ざしが強くて朝から気温も高くなっていますが、朝晩は乾燥した涼しい風が吹くようになりました。この時期の邪気は「温燥」です。温燥はこの時期に段々強くなっていきます。そして温燥によるカゼにかかる方がすでにいるようです。
治療は夏の感冒とは全く異なります。
温燥の治療方剤は主に桑杏湯を用いますが、日本では販売されていません。国際中医師アカデミーの受講者の皆さんに銀翹散と麦門冬湯の合方で対応することを薦め、両方剤の合方の意味について説明しました。

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焼きニンニクで臭~い「ガス」

友人が、夕飯時にニンニクを焼いて食べ、一緒にビールを飲んだそうです。焼きニンニクは、ほくほくして美味しいですが、どうやらこの方、食べ過ぎたようです。
数時間後、お腹が張り始め、腐敗臭のある「ガス」が出てきたそうです。どうしたらよいか・・・?
これは中医学でいう「傷食」です。傷食の原因は、暴飲暴食、消化しにくい食品を食べるなどによって、脾胃の働きが損なわれたために起きます。症状の特徴は、食後に急にお腹が張ったり、腐敗臭のあるゲップやガスが出る、たべる気がないことです。
冷たいものと、そして熱性のニンニクを過食することで、寒熱が胃腸で入り混じりそれが胃腸にダメージを与えると、傷食が生じると考えられます。
傷食の治療は、主に山楂子、神麹などの生薬を用います。
明日からお盆休みに入る方も多いと思いますが、食べ過ぎ、飲み過ぎに気を付けて楽しい夏休みをお過ごしください。

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「立秋」治療方法の転換が必要です

早い物もので「立秋」が過ぎました。
立秋に至った時期に、燥邪が段々盛んできます。
昨日から朝と夜の気温が急に下がり、空気が乾燥しています。
秋の特徴は、①朝晩は涼しく、日中は気温が上昇します。
②夏の蒸し暑さから、湿度が低くなります。
中医学では、このような変化から、燥邪の治療を中心とするのです。
このような対応方法、中医学の分析方法などの情報を国際中医師アカデミーの受講者のみなさんに送りました。

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人口減少。政治家の皆さん、本治対策してください

2012年8月7日総務省は日本全国人口は前年より26万人ぐらい減少することを発表しました。その中で注目すべきことは、転出人口が転入より多いということです。
なぜでしょうか。若い世代の就職難や消費税率の増加など、日本の居心地が悪くなったために転出人口が増加したのなら、これは大きな問題ではないでしょうか?
中医学の整体概念からみると、居住場所、気候、食べ物が異なれば、同じ病気であっても病理が変わり、治療方法が異なってきます。諸外国の政策は参考までにして、日本独自の治療が必要と感じます。
政治家の皆さんには、転出人口が増える理由をきちんと調べて、それに相応しい「本治」の政策を取っていただきたいものです。


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ワンピースを読んだことはありませんが、・・

香港を訪問した際に、四川料理店で働く中国安徽省出身の青年と親しくなりました。
大変、気配りのできる青年で好感をもちました。
いろいろな話をする中で、彼は「ワンピース」の大ファンなのだと教えてくれました。I―フォンの待ち受け画面にルフィが、仕事終わりに私服に着替えればone piece のTシャツを着て、わざわざ私たちに見せに来てくれるほどでした。別の方もone pieceで日本語の勉強するのだと聞いたことがあります。
 日本では、中医学を深く理解するために中国語を勉強する日本人も少なくないです。このような方々が多くなれれば、中日の交流が深くなると思われます

国際中医師アカデミーとうぎ先生の【中医学日記】

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内臓同士が情報交換?

8月5日(日曜日)の《産経新聞》に東北大学、片桐教授の研究が紹介されていました。内臓はその恒常性を保つために、内臓同士が情報交換を行っていることが分かったというものです。
この情報の交換は内臓の間だけではなく、脳も参加しています。今まで知らなかった隠れている体のネットワークを研修することにより病気の治療・予防及び健康的な長寿に役立つという可能性に期待が高まったと記事は結んでいました。
中医学には、この様な臓腑間に関する認識は既にあるのです。五臓六腑のバランス、感情及び脳の活動が内臓の効能に影響を与える一方、五臓六腑の効能も脳の活動、感情にも影響も与えると考えています。またひとつの臓に生じた病は、関連する他臓に影響を及ぼすため、病のある臓だけに治療を施す場合と関連する臓を先に治療する方法もあります。これは、弁証論治の土台の一つであり、中医臨床の最も重要な理論です。
西洋医学の分野でこのような理論が解明されることを期待したいと思いました。

 5千年の年月の経験では、多くの臨床データーが蓄積されて、それらは今も臨床に貢献しています。中医学のデーターを活かす必須条件は、中医学の理論を正確に深く理解することです。
中医学を学ぼう!健康で行きましょう。

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「かくれ熱中症」の予防要点 補脾を忘れないこと

連続的な高熱で、熱中症にかかる人が多いということです。熱中症は中医学では中暑といい、暑邪が体に入ると、発熱の他に、気と津液を大きく傷つけます。
脾気虚と脾陽虚の体質の方は暑邪が入りやすく、脾気虚が進んで脾陽虚となります。
「かくれ熱中症」という、造語があるそうですが、熱中症をひき起こす前の症状として、脾気虚の場合は特に食事後に腹脹、軟便、体の疲れ、食あたりになりやすいなどが挙げられ、脾陽虚は脾気虚の症状に冷えがあります。
注意点のひとつに、冷たいものを避けることです。温かいもの、消化しやすいものを食べることで脾を守り、暑邪の侵入を防がなければなりません。水分は必要ですが、冷たい飲み物はあまり奨められません。西瓜は冷蔵庫から出して30分ぐらいに置いてから食べること、また帰宅後にすぐ冷たい水を飲は飲まず、温かいお湯を飲むなども工夫が必要です。

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ホテルが学びの場に変身する

品川プリンスホテルでは、併設する水族館で、イルカのエサやりなど飼育員の仕事を親子で体験できる宿泊プランを提供していると聞きました。
親子で楽しみながら、イルカの面倒の大変さも肌で感じることができ、良い学習ができると思いました。このような体験学習を得ることで、次にイルカショーを観る際に、別の楽しさが得られます。
病気を治すために漢方薬を服用する方でも、処方してくれた先生を信用して飲み続けますが、先生から現在の体の状態や、何故この漢方薬を服用するべきなのかを説明してくれれば、安心感も高まり、漢方薬に対する愛情もわいてくると思います。
また、服用する側も中医薬学に対する理解が深まれば、先生の説明に対して理解できるようになり、病気を治すための努力もできます。その他、日常生活にも注意を払い、病気の進行を防ぐことに繋げられます。

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少腹と小腹は下腹(部)?

中医学の日本語の翻訳分で、「少腹」と「小腹」を同じ下腹(部)と翻訳されているものを読みました。下腹の真ん中は小腹ですが、その両側は少腹を指し、これは大きな誤りです。
更に許し難いことに患者の病状や経過症状を記入する際に、「少腹」と「小腹」を区別せず下腹(部)と記載されていることがあります。
何を以て、勝手に変えてしまうのか。
中医学の弁証では、小腹痛と少腹痛の臨床意義の他に、治療薬もかなりも異なってきます。小腹と少腹の意味すら理解していないなら、中医学の基本概念及び基本知識が相当に不足しているのではないでしょうか?

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