生脈散の加減

先ほど、受講者の皆様に生脈散を使用するにあたり、加減の原則についての内容をメールで送りました。
暑いこの時期に生脈散などの中成薬を上手に応用してください。

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国際中医師アカデミの学習システム

国際中医師アカデミの学習システムを紹介する「紹介動画」をアップしました。
興味のある方、クリックしてね→学習システムの紹介

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熱中症に生脈散?

毎年、夏になると生脈散を勧めるケースが増えているようです。
今日のような高温注意報が出るような日には、熱中症が心配ですから常備しておくと安心な漢方薬のひとつです。
生脈散を勧める根拠として、夏の暑邪が多く体の気陰を消耗して気陰両虚になりやすいので、予防及び治療のために勧めます。
でも、ちょっと待ってください!
夏は暑邪だけでなく「湿邪」も盛んでいる時期もあります。気陰両虚に湿邪を伴う場合、単独で生脈散を服用すると、
病気を悪化させる恐れがあります。生脈散に配合される朝鮮人参、麦門冬、五味子は湿邪の治療に単独で投与してはならないという原則があります。
このような原則を無視した場合を中医学では、「実実之戒」(邪気を補って禁則です)属する誤治、誤った治療といいます。
湿邪があるか否かをチェックせず、汗をかき疲れやすいだけで「生脈散」を勧めるのは要注意です。

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腰痛の弁証要点

中医学の学習者の中では、「腰痛=腎虚」という考え方が常識として存在しており、慢性的な腰痛の病因が主に腎虚と湿邪(寒湿・湿熱)によるものと理解されています。
両者の共通症状は足が重たく感じる、疲れやすいということです。
日本では、腰痛の治療によく用いられる漢方は、独活寄生湯、八味丸、牛車腎気丸などなどが選択されるケースが多いと感じていますが、腰痛をひき起こした誘発原因と身体の状態を把握しなければかえって腰痛を悪化させかねません。
特に湿邪による腰痛では、問診の際に十分気をつけて下さい。湿邪の重濁という性質が、時に疲れやすいと表現される場合があり虚証と判断するおそれがあります。

慢性腰痛だから「腎虚」とすぐに判断せず、腎虚をもう少し丁寧に分析することで、あなたの「腕」があがることになります

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難病 腰痛に苦しめられる人口は2500万人 

2013年7月2日のNHKの番組「クロ-ズアップ現代」で難病として腰痛を紹介していました。
番組の中では、今まで腰痛の原因は主に椎間板ヘルニアとして考えられていますが、驚くことに腰痛の原因は「腰」ではなく、脳にも関係が強いというものでした。また原因不明の腰痛が多く存在し、「安静して休養する」という指導が常識と思いきや、実際は間違っていることが分かったそうです。

中医学でも、腰痛をひき起こす病因にとして、腎虚もあれば、湿邪もあり、また、気滞及び瘀血も原因として考えています。
気滞、瘀血、湿邪による腰痛は安静すればするほど、腰痛が酷くなると傾向があると考えられ、また中医学による腰痛の治療では、腎虚に対する治療を中心に施す傾向があり、これらは中医治療の常識としてとらえられていますが、問題点もあります。
西洋医学の常識、中医学の常識にはまったままでは、進歩はあり得ません。

この番組の内容で心が打たれたことは、今まで西洋医学の常識が非常識であったことが明らかに解明されたことにあります。腰痛の主な原因は椎間板ヘルニアであるという常識が、腰痛をひき起こす原因が主に脳にあるという非常識を紹介し、治療では痛みを起こすかもしれない恐怖感を取り除き、ゆっくりとした動きを取り入れながら腰痛によって職を失った人の復帰を促す治療が、積極的に行われているのは感心するばかりです。

中医学には、「一病多因」という考え方があり、他の病気の研究に良い影響が与えられたらと期待しています。

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世界中薬学会聯合会を訪問

先週、中国北京にある世界中医薬学会聯合会を訪問しました。
訪問の目的は、李振吉秘書長におめにかかり2013年5月25日、26日に国際中医師アカデミーが開催した「国際中医師試験」の状況の紹介と報告でしたが、会談では今後の中医学の優秀な人材の育成について意見を交換し、友情を深めました。

李秘書長との握手

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冷えがあるのに牛車腎気丸が効かなかった例

ある症例を紹介します。
70代の患者、男性、冷えが強く特に足の畏冷、頻尿、腰酸軟、疲れやすい、夜になると腰痛がよくおきるので、
薬局で相談したところ牛車腎気丸を勧められたそうです。この方の舌は淡黯歯痕、薄白苔潤沢な状態です。
牛車腎気丸を通常の服用量で服用して一ヶ月経過しても、冷えと他の症状が全くかわりません。何故でしょうか。
この場合の問診要点は何か?症状の情報から、牛車腎気丸を処方する根拠がどこにあり、また判断する上で十分な根拠になるのか、
服薬量に問題はないか、他の薬剤と一緒に用いる必要があったか、などなど、考える必要があります。
また、牛車腎気丸が誤りであったなら、何の中成薬を出すべきかなどの問題を考えなければならないと思います。
国際中医師アカデミーとしては、このような複雑な病証に対しての臨床力を育てるコースを考える必要を感じていますが、
その前に中医の基礎的な学力が無ければ、臨床応用はできません。

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抗がん剤による副作用 牛車腎気丸

先日の読売新聞で、抗がん剤の副作用によるしびれを軽減するために、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)を使用するという記事を読みました。
牛車腎気丸は、補陽剤に属する方剤です。補陽剤は、腎陽虚証を治療する方剤を指し、
腎陽虚証の症状は、腰膝痠軟(腰と膝がだるくて痛む)・四肢の冷え・だるくて無力・少腹冷痛・小便不利・頻尿などが見られ、
腎陽虚証の方でしびれや痛みがあれば一定の効果が得られます。

しかし、中医学で抗がん剤の使用による副作用は気血両虚、腎陽虚、腎陰虚、瘀血、痰湿などが挙げられますので、
方剤の選択では細やかな配慮が必要であると考えます。
患者さんの苦痛を和らげる為に、中医学の長所短所と西洋医学の長所短所を理解することで、より良い治療が提供できるのではないか・・。
少なくも牛車腎気丸を効果的に使うために、陽虚と陽虚水停との鑑別診断
腎陰虚の臨床特徴、牛車腎気丸の配合意味などに理解を深めて欲しいと願います。

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手術後に「大建中湯」?

病院では、手術後の腸閉塞予防には、よく「大建中湯」を処方するということです。
中医学からみると、手術を受ける方の体質を重要視しながら、術後に発生した腸閉塞の病理状態を分析する必要があります。
手術のダメージにより、気血両虚、気虚、瘀血、気滞、気滞瘀血、熱毒などの病理を発生する可能性があります。
大建中湯は温中袪寒剤に属する方剤で、心胸の中に大寒痛があり、陽虚陰盛の病理状態を治療する方剤です。
従って、気滞、瘀血、熱毒などがみられる場合の治療には相応しくありませんので、西洋医学の考え方だけで漢方処方を選択することには、疑問を感じています。
もし、術後の患者さんに気滞、瘀血、熱毒が見られた場合には、どのような対応をされているのでしょうか。
大建中湯を効果的に用いるために、陽虚と陽虚陰盛との鑑別診断、陰虚、気滞、瘀血などの臨床特徴、大建中湯の配合意味などを勉強する必要があります。

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国際中医師アカデミー説明会 

ご要望にお応えして、国際中医師アカデミーの無料中医学講座を開催いたします。
これから学習を検討されている方や、すでにアカデミーのEラーニングで学習されている方のために、
中医学処方の各種ポイントや、漢方・中医学を学ぶ要点をお伝えする40分ほどの小講座です。

第一回は、花粉症やアレルギー性鼻炎によく用いられる「小青龍湯」を取り上げ、小青龍湯を処方してはいけないケースについて、私が講義を致します。議題は舌診でわかる間違った処方のケース 〜こんな時、小青龍湯は 使うな!
講義では、基礎理論と方剤学などから分かりやすく解説した上に、中医学の臨床活動に対する中医理論学習の重要性をご説明し、
舌診の具体的なポイントも解説しますので、ご自分の舌を見るための鏡をお持ちいただくとより効果的です。

当日は、アカデミー事務局長から当アカデミーでの学習方法についての説明もあります。
申し込みをご検討されている方や、中医学に興味のある方が身近にいらっしゃれば、是非お誘いあわせてご参加の上、ご不明な点を遠慮なくご質問ください。

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日時: 7月13日(土)18:00から19:30
場所: 貸会議室「AP品川」(品川駅より徒歩約3分)
http://www.ap-shinagawa.com/info/access.html
参加費: 無料(事前のお申し込みが必要です)
参加資格: アカデミー卒業生・受講生・受講をご検討中の方
申込方法: 「参加希望」とお名前を明記の上、下記のアドレスに申し込んでください。
       otoiawase01@iatcm.com
準備する物: 手鏡(舌診の実習に用います)
※お席がなくなり次第、締め切らせて頂きます。
詳しい情報は

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