毎年、夏になると生脈散を勧めるケースが増えているようです。
今日のような高温注意報が出るような日には、熱中症が心配ですから常備しておくと安心な漢方薬のひとつです。
生脈散を勧める根拠として、夏の暑邪が多く体の気陰を消耗して気陰両虚になりやすいので、予防及び治療のために勧めます。
でも、ちょっと待ってください!
夏は暑邪だけでなく「湿邪」も盛んでいる時期もあります。気陰両虚に湿邪を伴う場合、単独で生脈散を服用すると、
病気を悪化させる恐れがあります。生脈散に配合される朝鮮人参、麦門冬、五味子は湿邪の治療に単独で投与してはならないという原則があります。
このような原則を無視した場合を中医学では、「実実之戒」(邪気を補って禁則です)属する誤治、誤った治療といいます。
湿邪があるか否かをチェックせず、汗をかき疲れやすいだけで「生脈散」を勧めるのは要注意です。
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