2013年7月2日のNHKの番組「クロ-ズアップ現代」で難病として腰痛を紹介していました。
番組の中では、今まで腰痛の原因は主に椎間板ヘルニアとして考えられていますが、驚くことに腰痛の原因は「腰」ではなく、脳にも関係が強いというものでした。また原因不明の腰痛が多く存在し、「安静して休養する」という指導が常識と思いきや、実際は間違っていることが分かったそうです。
中医学でも、腰痛をひき起こす病因にとして、腎虚もあれば、湿邪もあり、また、気滞及び瘀血も原因として考えています。
気滞、瘀血、湿邪による腰痛は安静すればするほど、腰痛が酷くなると傾向があると考えられ、また中医学による腰痛の治療では、腎虚に対する治療を中心に施す傾向があり、これらは中医治療の常識としてとらえられていますが、問題点もあります。
西洋医学の常識、中医学の常識にはまったままでは、進歩はあり得ません。
この番組の内容で心が打たれたことは、今まで西洋医学の常識が非常識であったことが明らかに解明されたことにあります。腰痛の主な原因は椎間板ヘルニアであるという常識が、腰痛をひき起こす原因が主に脳にあるという非常識を紹介し、治療では痛みを起こすかもしれない恐怖感を取り除き、ゆっくりとした動きを取り入れながら腰痛によって職を失った人の復帰を促す治療が、積極的に行われているのは感心するばかりです。
中医学には、「一病多因」という考え方があり、他の病気の研究に良い影響が与えられたらと期待しています。