病名診断について

中医学は中国に伝わる伝統医学で、その診断方法や治療に用いる漢方薬の選択には、西洋医学とは異なる独特の方法があります。
中医学では、まず病気の診断が必要になります。
中医学における「病名」は、主に病気の基本病理と症状の特徴を反映するものです。病名の診断は主に病気の発生や症状の特徴が含まれています。この意味で漢方の相談を聴く側は、中医学的な『病名診断』をしなければならないと理解しています。
中医学的な病名の診断が正しいかどうかで、選択した漢方薬の効果にも大きな差が生じます。
中医学を活かすためには「土台」が必要です。この土台は、中医学の専門用語を正確に理解することです。この「専門用語」では、当然病名の意味を含めています。
もし、中医学による病名が診断できない方に出会ったら、中医学の学習レベルが乏しいと判断しても良いかもしれません。

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国際中医師と世界中医薬連合会について

国際中医師については、ご質問を多々頂いておりますので正しい情報をお知らせしたいと思います。
主催元の世界中医薬学会連合会について、過去の国際中医師標準試験は中国衛生部直轄で開催されていましたが、現在は世界中医薬学会連合会(World Federation of Chinese Medicine Societies 省略WFCMS)がその権利を引き継ぎ、国際中医師標準試験を開催しています。
世界中医薬学会連合会は、2003年9月に中国国務院の許可を得て成立し、2010年5月 ISOの伝統薬技術委員会「ISO/TC249」を取得しました。
2011年9月にはWHOに加盟し、2012年6月 国連教育科学文化機関において、ユネスコの無形遺産の保護する顧問機関となりました。
国際中医師標準試験は、世界各国の中医学履修者の履修レベルの標準化が、その開催目的です。
日本では医療資格にはなりませんが、漢方相談を受ける医師、薬剤師、鍼灸師などの医療に従事される方が学習し本試験に参加されています。

国際中医師のレベルは、中国の中医薬大学では医師のスタート地点となるもので、2004年以降の国際中医師標準試験は、A級、B級の区別はなくなり、現在は更に高いレベルの試験もあります。
現在では中医基礎理論・中医診断学・中薬学・方剤学・中医臨床学科(中医内科学)の5教科の基礎から系統的に学び、必要な受験資格を得て試験に参加します

※ ISOとは? 国際標準化機構(International Organization for Standardization)
※ WHOとは? 世界保健機関(World Health Organization)
国際中医師試験場で、世界中医薬連合会試験部の徐主任と劉先生との記念写真
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Facebookのサイトが出来上がりました

Facebookのサイトが出来上がりました

国際中医師アカデミーは、Facebookにサイトを立ち上げました。
アカデミーの情報をリアタイムに発信し、中医学のコニュニティを広げ多くの方に中医学の良さを知って頂くきっかけになればうれしく思います。

国際中医師アカデミーFacebookサイト

中医学に関する交流を深めて、中医薬学が臨床で更に役立つように、みなさん是非応援してください!

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国際中医師試験開催

5月25日、26日の両日、国際中医師標準試験をグランドプリンスホテル新高輪にて開催をしました。
今回は国際中医師アカデミーの第一回目の国際中医師試験で、13名の方が参加されました。
九州から北海道までの広範囲いわたる地域から参加され、医師、薬剤師、鍼灸師、薬膳を学んだ方と職業は様々です。

みなさんが一生懸命に努力をされた結果が試される時がやってきました。
緊張感が漂うなか、適切な解答を導いていましたので、良い結果が得られるのではないかと感じています。
15か月間、厳しい学習システムで相当訓練を積まれた結果として、5教科のマークシートの問題は、かなり良い結果ですし、弁証論治においても四問の症例に対して正確な解答を記入していたのが印象に残りました。
主催元の世界中医薬連合会からは試験官として、国際考試部の副主任の徐先生及び劉先生が来日され、国際中医師アカデミーの生徒さんに対して、高く評価をされていました。

参加者の皆様、大変お疲れさまでした。
また試験終了後に、皆さんから頂いた心温まるメッセージはアカデミーの宝物です。
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国際中医師試験対策講座スタート

国際中医師試験対策講座が始まります。
5月3日~5日の日程で「弁証論治試験」の対策講座を行います。国際中医師試験の試験科目で最も難しいといわれる「弁証論治試験」のために弁証ポイントを中心に講義します。

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中医学の専門用語の重要性

日本語は外来語が多く、また似た単語もあるので区別できないことがあります。
例えば、「ヘアブラシ」と「櫛」、これを中国語で翻訳すると同じ梳子(shuzi)といいます。日本の方にとっては問題にはなりませんが、私にとって違いが判らず苦労の一つでした。
中医学にも、似た現象が沢山あります。
専門用語では、類似語もあれば別名もあります。理解せず勝手な解釈で覚えてしまうと、弊害が大きいです。
例えば、疏泄の意味が理解できていない場合、肝鬱の意味を当然に理解できることはないでしょう。そうすると臨床で加味逍遙散を投与するか、四物湯を加えるか、逍遙散を投与するかの処方の選択に弁証論治の原則上の根拠がなくなります。製造メーカの品質のせいで効かないと思うなら、悲しいですね。
国際中医師アカデミーは、沢山の中医学の専門用語を深く理解していただく為に多くの練習問題を用意する理由に、櫛は櫛、ヘアブラシは櫛ではないというようなことが理解することが極めて重要だと考えています。

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サファイヤと宝石

日本に来て、すでに23年になりました。
日本語は外来語が多く、新しい言葉を覚えるのに苦労します。
つい最近も、宝石のサファイヤを知りました。サファイヤは中国語で「蓝宝石」(LANBAOSHIという)と翻訳されていますが、サファイヤと蓝宝石が同じものであることを知らずにいました。
これを機に外来語を中国語に翻訳したアプリを取り入れ、日本語の勉強を始めています。
中医学もこれと似たところがあります。
例えば、脾気虚と脾気不昇の違い、脾気虚と脾気不昇のそれぞれの病理要点と診断要点を把握しなければ、六君子湯と補中益気湯の使い分けが判らず、迷うことでしょう。
六君子湯の病証に補中益気湯で治療すれば、副作用が出てしまいます。そこで反省せず補中益気湯のせいにしてしまうなら、中医学のレベルが向上することはありません。
脾気不昇、脾気虚の意味は、中医学基礎のテキストにかかれています。しかし読んでも理解せずにそのままにすれば臨床に反映されてしまいます。
これを防ぐために、国際中医師アカデミーの中医臨床総合課程では、このような問題をたくさん準備し、角度を変えて受講者に問題を投げかけています。

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花粉症の漢方治療

最近、花粉症の治療では新薬のかわりに、漢方薬で根本的な治療を求める人が増えてきました。
京都のすずらん薬局の松井先生は、漢方で積極的にアレルギーの原因で引き起こされる病気の治療に取り組んでいます。

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花粉症の体質

以前、小青竜湯と花粉症のブログで、花粉症を起す体質には肺脾腎の虚損、痰湿停滞ということを紹介しました。
ここで、肺脾腎の虚損という意味について紹介したいと思います。
肺脾腎の虚損は、先天の精気が不足するとともに、痰湿が深く潜んで、肺脾の働きが弱いという意味です。先天の精気が不足する場合、腎に貯蔵している精気が不足していることが多くあります。
ひとつの病気に対して治療方法を決定し、治療方法に沿った漢方薬を選ぶまでの作業は複雑で、診断から漢方薬の選択に至るまで、細やかな分析が必要です。
例えば、精気の意味、精気と元気との関係、脾肺の働きが弱いかどうか、そして漢方薬の特徴を理解しているかどうか、などなど。
これらの問題点を全て理解できれば、花粉症の病理特徴、治療原則と治療方法がわかります。単純に花粉症だから小青竜湯という使い方はなくなると思います。
国際中医師アカデミーの受講者には、このような問題に取り組んで頂いています。

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「水液の運化」と「水湿の運化」違いは?

中医学の専門書には、よく「水湿の運化」或は「水液の運化」という用語が用いられています。
同じ意味なのか、意味が違うのかを聞かれたことがあります。
結論から言いますと、同じ意味です。このような専門用語を正確に理解できずに、長期間中医学の本を読み症例を検討しても、中医による治療効果が高くなるわけではありません。
臨床力を高め病気の治療に貢献できるような優秀な国際中医師になるには、まず正しく中医学の専門用語を理解することが大切です。
このような問題は国際中医師アカデミーの総合課程にたくさん用意されています。

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