入社一年ですぐやめる

先日のニュースで大学の新卒者が、入社一年目で退社する割合が、30%ほどだと伝えていました。
早期退社については、いろいろな議論があり教育の問題、雇う環境の問題、本人の問題など其々解釈があります。
中医学では、精神的な影響を受けやすく、些細なことで怒る、根気が続かない性質を、脾虚肝鬱などの体質と考えられます。
先天的か後天によるものかはわかりませんが、脾(土)虚によって肝(木)気が異常に旺盛となり五臓の平衡が失われ、肝気が異常に旺盛になれば、肝気犯脾、肝火犯胃、肝火犯肺などの病証がひき起こされます。
これらの特徴として、怒りっぽい、我慢できずすぐ飽きてしまう、反省せずに相手のせいにする、感情的に激しくなり冷静に判断する能力が著しく低下するなど、感情の起伏が激しく、理性に欠けています。

このような問題を解決するには、行政・教育・雇用環境などもちろん言うまでないですが、健康面では、中医薬を生かして体のバランスの崩れを改善することも重要ではないかと考えています。またこのような性質は短期間で作られるのではなく、小さなころからの食生活も大きく影響するので注意が必要です。

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成人ぜんそく 漢方からどう考える?Ⅱ なぜ30代から多い

アレルギー性の病気は、中西医結合の研究から「肺・脾・腎」の虚弱な状態に異気(アレルゲンに相当する病因)が侵入することで発生する病証だと考えられています。
内的な原因である「肺・脾・腎」の虚弱のなかで、特に腎が虚していることが主な原因と考えられています。
腎虚となる原因は、先天的なものの他に、深夜まで起きて活動し起床時間が午後になるといった昼夜を問わない生活リズムの乱れ、性行為が頻繁過ぎる、などが挙げられます。
一般的に健康な状態では、40代以降の中高年齢に至ると腎が次第に虚し、様々な症状や体の変化が生じるようになります。いわゆる「歳のせい」です。
腎気がある程度まで弱くなると、次に「肺脾」に影響を与え、それぞれが虚すと肺気虚による呼吸器の疾患、脾気虚による消化器の疾患が起きやすくなります。
30代から、腎の精気(腎気)がピークの状態から減少し始めますので、成人のぜんそくは、30代から発生する方が多いと考えられます。
しかし日本では、比較的早い年齢で腎虚を示す症状や体の変化がみられる場合が多くあります。例えば20代後半から特に疾病が無いにも関わらず白髪や、頻尿、足腰が弱く疲れやすい、階段を登ると息切れが生じる、性行為後に疲れが取れない、女性では若年性更年期や性行為後の陰部掻痒や排尿時の軽い痛みなどが挙げられます。
若いからといって無理を続けると、歳を重ねてから思わぬ病気を患いかねませんので注意が必要です。

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成人ぜんそく 漢方からどう考える?Ⅰ

今朝のテレビ朝日で放映された内容は、大変興味深い内容でした。
近年、成人のぜんそく患者が増加しているそうです。
この病気は、主にアレルギー性の疾患に属し、発症に至る原因となるアレルゲンの種類は様々だそうですが、アレルゲンの種類が明らかにならない患者が多いということです。
発症に至る特徴は以下の通りです。
・感冒(カゼ)によって発症することが多く、カゼが長びき病院でぜんそくの診断が得られない場合が多い。
・発症年齢が比較的高く、30代以降の方が発症することが多い。
・疲れた後に発症することが多い。
・ストレスが重なった場合に、発症することが多い
・深夜から早朝にかけて発症することが多い。

さて、中医学からどう考えたらよいのでしょうか。
中西医結合の立場から紹介したいと思います。

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漢方の力の証明

自分の中医学のレベルを証明するにはどうすればよいかと質問されました。
現在の日本の現状では、二つのことが必要であると考えています。
一つは国際中医師の試験を合格することです。
一つは、中医薬理論を活かして、効果的に病気を治し実績を積むことです。

国際中医師標準試験は、日本において中医学を系統的にまた専門的に学習したことを証明する、唯一の試験です。
そして、実際の弁証論治(治療)は、中医学理論の学習が土台となって、効果的な治療を提供できるようになります。

国際中医師アカデミーでは、中医学の実力が高め、良い治療が提供できるようになりたいと願う方達が日々頑張っています。

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補習講座で伝えたこと

先日の補習講座には、直前の案内にも関わらずご参加頂き有難うございました。
講座に参加された方々からは、多くの質問がありました。みなさんが漢方で治療効果を高め、病に苦しむ方を応援したいという強い姿勢が感じられました。
テキストを読んでわかったと思っても、臨床の場でそれが応用できなければ自分のものになったとは言えません。
今回の講座では、問題を繰り返しやることで知識をアウトプットする練習となり、中医臨床力を高める上で非常に不可欠であることを受講者に強く訴えました。
$国際中医師アカデミー    とうぎ【中医学日記】

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ついにiPadを買いました


国際中医師アカデミー    とうぎ【中医学日記】   国際中医師アカデミー    とうぎ【中医学日記】
昨日、ついに
iPadを買いました。

オンラインで国際中医師アカデミーの中医学の学習に非常に便利です。

ブルートゥスのキーボートを付けて見ると、ほぼパソコンと変わらず使用できます。これから、iPadを積極に取り込んでいきたいと考えています。


国際中医師アカデミー    とうぎ【中医学日記】
国際中医師アカデミーの勉強ページの一部の写真です。iPadで操作して反応も早いです。

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中医基礎理論の補習講座のご案内

中医基礎理論の補習講座のご案内



【講座内容】:中医基礎理論の勉強は病理推測の能力、診断力の育成に非常に重要です。例を挙げながら、中医基礎理論の勉強方法、ポイントなどを詳しく説明します。また、今までの中医学の勉強では、理解しづらい問題などに対して、お答えいたします。

●開催日:2012929日(土)

●受付時間:1315

●講義開始:13301530(質疑応答を含む)

●場  所:FUKURACIA品川 会議室A

総合受付:0335337775

住  所:〒108-0074 東京都港区高輪3-25-33 長田ビル6F

アクセス:JR「品川駅」高輪口 徒歩4

      京浜急行「品川駅」 徒歩4

http://www.fukuracia.jp/shinagawa/access/

参加費用 無料

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気陥と気逆に関する国際中医師試験問題③

気陥と気逆に関する国際中医師試験問題の続きですが
五つの選択肢の中で、気逆証に属するのはCです。
気逆証の治療方剤は、病因、病位、寒熱などにより変わりますので、
Cという気逆証の原因、病気の部位、寒熱の鑑別を鑑別する必要があります。
このように、一つの問題に対してしっかり考えながら解くことで、臨床における漢方の相談に強くなる道が開けてきます。

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気陥と気逆に関する国際中医師試験問題②

気陥と気逆に関する国際中医師試験問題のつづきですが
五つの選択肢の中で、気陥証に属するのはDです。
臨床で、全ての症状が揃うことは、非常にマレです。
教科書通りの症状が診られない場合、
少気懶言と腹部堕脹感で気陥証を判断することが出来ますか?
また少気懶言と脱肛で診断できますか?
この症状があるけど、他の症状が診られない・・さて、どうするか。
基礎理論から気陥証の意味や判断基準などを身に付けて応用できなければ、やはり迷いの種になります。
また、気陥証を判断した後に、効果的に補中益気湯を投与するために、行わなければならない作業があります。

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気陥と気逆の鑑別に関する問題

気陥と気逆に関する国際中医師試験問題を紹介します。

気陥証の臨床症状はどれか?
A.少気懶言 倦怠乏力 頭目眩暈
B.二便失禁 腰?痿厥 遺精
C.頭痛眩暈 昏厥 嘔血
D.少気懶言 大便溏泄 腹部堕脹感 脱肛
E.納呆 ?腹脹満 大便澀滞不暢

国際中医師試験の準備で、問題に対する正しい解答を暗記すればよいと考える方が少なくないようです。しかし、合格すれば良いといった考えは、当然のことながら誤った治療を施すことになります。
気陥証と気逆証は、臨床でも比較的多くみられ、上記の5つの選択肢の症状の鑑別ができなければ正しく診断することはできませんし、更に困ったことに自分が誤ったことに気づくことすらできません。また、気陥と気逆が鑑別できても、他の選択肢がどういう病理状態を反映している症状なのかを理解すべきだと思います。
 
国際中医師アカデミーは、国際中医師試験の準備だけではありません。生徒さんが、将来の臨床活動で活躍して頂くために、応援を続けたいと思います。

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