8月の臨床講座では「痿証」の講義を行いました。
あまりご存じでない方もおいでになるかも知れませんが、
「痿証」の講義を選んだ目的は二つの理由があります。
一、「痿証」の診断この病気は診断が難しく臨床では見逃す恐れがあります。
病気全体を把握しにくい特徴があり隠れるようにゆっくり病気が進行します。
高齢者、また青少年にも発症がみられる現実を踏まえ中医学の立場から
病気の発展プロセス・診断のポイント・病理要点の把握が必要です。
一、治療原則痿症は筋肉が無力になることが主な症状です。
無力感やだるいといった臨床表現によって「補気」による治療を
施すことがありますが、補気だけでは治療に誤りが生じることが考えられます。
また、補気剤や肝腎虧虚の方剤が単独で効果が得られない場合の
工夫すべき点や注意点を説明しました。
過去の老師による痿証治療の経験から
朱丹渓や孫一奎など二人先生の理論を紹介し、
補腎治療の原則・陰陽のバランスの具体的な症例から
より深く理解できればと紹介しました。
二千年に渡る痿証の中医臨床記録から
ASL病などの病気の進行は食い止められのではないかと期待しています。
漢方薬を活かす治療が試みられるよう努力していきたいと思います。
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