竜胆瀉肝湯の服用で黄膩苔が厚みを増した?


竜胆瀉肝湯の服用で黄膩苔が厚みを増した症例 

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23日の症例検討は、
中国の雑誌に発表された誤治による症例を紹介し、
誤治による臨床現象について皆さんと論議しました。

症例の内容は以下の通りです.
68歳の患者、指の関節痛で受診。
来院時の舌苔は黄膩苔が酷く竜胆瀉肝湯を使用しました。
服用後、痛みは良くならず黄膩苔は厚みが増した為、
湿熱が酷いと判断し、更に清熱と利湿剤を加えましたが
黄膩苔は変化せず指の痛みも変わりませんでした。 

「なぜ、黄膩苔が変化しなかったのでしょうか。」
参加者に質問をしました。
考えられる原因には脾気虚、血虚、寒湿、腎陽虚の可能性があると
意見がありました。
 
そこで、それぞれの可能性について真実か否かを確認するのに
自分の考えを否定する方法を試みました。
これは自身の考えを肯定するのではなく否定することで
自分の弁証が正しいか判断する高度な方法の一つです。

 
例えば、脾気虚の患者が竜胆瀉肝湯を服用した場合、
どのような症状が見られるか。
必ず現れる症状は何か。など・・
最後に皆さんが納得できるような結論を見つけました。 

臨床では常に誤診は「つきもの」です。
誤りがあれば早く気づき正しく是非し、
患者の苦痛を解消することが臨床講座の目的でもあります。 

About 中医学アカデミー

90年に日本へ来日して以来一人でも多くの方へ中医学の正しい知識を身につけて頂きたいという思いで普及活動を行って参りました。 日本中医薬連合会においては多くの国際中医師を輩出してきました。 この日本で優秀な漢方医がたくさん育つことが私の夢であります。 中医学アカデミー http://www.iatcm.com
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