一生懸命勉強してプロの中医師や漢方のプロになっても、ふと、細かいことを忘れてしまうことは誰にでもよくあることです。
私自身も、学生から質問されて「ああ、それは…」と言いながら、概念のイメージはありながらも適切な言葉が出てこなくて焦った覚えがあります。
特に臨床で忙しくなると、普段よく扱う病因病理以外を失念してしまうこともあるのではないでしょうか。
たとえば、基礎理論で学ぶ標(ひょう)と本(ほん)という概念がありますが、これらがそれぞれ何を指すか、正確に覚えているでしょうか。
本が体を指すとき、標は病気を指しますが、それだけではありませんよ。
ヒントは、「標・本」の捉え方は「陰・陽」の考え方と似ているってことでしょうか。
中医学には、「治病求本(ちびょうきゅうほん)」(治療するにあたって、本を求めて病気を治療する)という大原則がありますが、「本」を求める治療をするには、「本」の意味を知っている必要があります。
そうでないと、どんな漢方薬を出すべきかわからなくなってしまう。
やはり基礎って大事です。
とはいうものの、私が基礎をしっかり覚えていられるのは、受講生の皆さんに説明するために、基礎理論や専門用語を何度も繰り返し確認してきたからでもあります。
覚えるにはやはりアウトプットを繰り返すことが一番!
そうでなければ私も忘れていることがいっぱいでしょうから、アカデミーの皆さんに感謝です。
私も、皆さんと一緒にもっと勉強し続けなきゃと思います。
そう言うと、昔から勤勉な中医学生だったと思われるでしょうか?
いやいや実は…
学生時代をちょっと思い出しましたので、次回お話しします。
漢方の勉強は「国際中医師アカデミー」