中国では、陰陽や五行に関する理論が生活の中にも深く浸透しています。
例えば、「乾坤(けんこん)」は、易の卦(け)で中国数字や和算で用いられた算木に現れる種々の象を現わすもので、人生や事柄の吉凶を占う目的で用いられています。
「乾坤」の意味には、天と地、陰と陽の意味が含まれいて、男女を陰と陽で表せば、陽(乾)が男性、陰(坤)が女性になります。
昔から中国では、女性がみにつける腕時計を「坤表(こんひょう)」と言います。
中医学では、病気を治療する場合に、まず陰陽の弁証を行わなければならないという原則があります。
陰と陽の関係は固定した概念だけではなく、主に立場により変化します。
例えば、
★心と足の関係では → 心が陽で足は陰
★心と頭の関係では → 心は陰、頭は陽
というように相手によって異なります。
固定した概念ではなく、このような関係を理解した上で弁証を行えば、適切な方剤を選択することができるようになります。