うつ病の臨床症状では、過眠過食がある。
過眠は気滞と気虚の症状に属するが、過食は胃火に属する。
よく考えると、同時に出ることがないはずが、一杯食べたら、胃気の動きが鈍くなり、過眠になると思える。
臨床では、西洋医学の考え方を一方的に理解するだけではなく、中医学の理論を駆使し、其々の症状を分析し、それらの症状の統合性を見つけることも大切である。
過眠と過食と比べると、どっちは一番苦しいか、どっちが先に出たかを聞く必要がある。気滞から始まったか、また胃熱になったか、仮眠から過食までのプロセスを掴む事が目的である。
もし、過眠が先にあって、後は過食の症状が出た場合、中医学のプロとしてその過食と過眠はどう判断するか、その判断基準は何だろうかを考えて結論を出さなければならない。
昔は殆ど寝られなかったが、最近ぐっすり朝八時まで寝られる現象は正常か否かを判断するか。
ということは、患者の言葉は100%信じてはなく、訴える内容を冷静に分析する必要がある。
胃気の気滞に半夏厚朴湯を、胃火に黄連解毒湯を中心にして方剤で組み合わせる。
その中で逍遙散或いは四逆散などの加減が必要とする場合がある。其々の方剤を深く理解する必要がある。臨床講座では、うつの判断基準、病気のプロセス的な変化、対応方法、方剤の組み合わせについて詳しく検討するつもりである。
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