知人の女性が出産後、それまでの冷え性から暑がりになったそうです。
30代後半の彼女は、結婚前は酷い冷え性だったのに出産後からは、冷え性はなくなり、逆に暑がりになったそうで、本人は身体の代謝がよくなり元気になったと感じていたそうです。
このような経験をお持ちの方は少なくないと思います。人によってはそれまで汗をかかなかったのに、産後に汗をかくようになって、これもまた元気になった証拠と感じている方もいます。
残念ながら、大きな勘違いです。
暑がりや汗をかくようになったのは元気になったのではなく、老化が早まった前兆かもしれません。
中医学から考えてみると、元々陽虚の体質で陽気が陰気より少ないため冷え性が生じます。しかし出産や授乳によって大量な陰血を傷つけて、陰気が陽気より少なくなると、暑がりの現象が生じます。そのため、この方は元々陽虚なので今は陰虚が陽虚よりひどくなった「陰陽両虚」で、決して元気になった訳ではありません。
陰陽両虚は多くの病気を誘発する原因でも、老化を早める原因でもあります。産後や授乳中は、特に注意が必要です。