中医薬大学3年生の時でした。
5~6人のグループで臨床実習を行います。
実習が始まる前には、クラスメートとよく医基礎論や中医診断学などについて議論し合い、担当先生にも教えて頂くことが多く理論では自信満々でしたので、臨床実習では絶対にトップの成績でみんなに見せようと思いました。
実習初日、担当先生が頭痛の患者さんの症状の解釈を中心とした質問を実習生に投げかけました。
質問の最初は、まず虚証か実証かを鑑別するために患者に何かを聞くべきかという質問でした。一瞬、私は頭が真っ白になり、何をどう聞くべきか聞く順番は何か、全く整理できなくなり、この質問に即答できず強くショックを受けました。
この経験で、本を読んで理解することと実際の治療でまず確認しなければならないことを、記憶した知識から引き出すことの難しさを痛感しました。来日して、中医学の講義中にも受講生には知識があるものの、質問を投げかけるとやはり、答えられないケースがしばしばあり、治療に結びつける難しさがあります。
この経験を漢方の学習に生かすため、国際中医師アカデミーではプログラムを改善しながら更に充実させなければならないと日々頑張っています。