むくみと漢方薬の使い方


むくみの改善で漢方薬の服用を希望された方の例です。
むくみは、夜間が特にひどくパンパンに張って指の曲げ伸ばしが不自由に感じているそうです。
最初に薬局で相談したところ、開気丸・牛車腎気丸を勧められ服用を始め、むくみが幾分改善したそうです。
次に相談に行った際、疲れやすいことを告げたら、杞菊地黄丸と参茸補血丸を勧められ服用しました。
しかしこの薬を服用してから、却ってむくみがひどくなり、大小便が出にくくなってしまったので
薬局に相談にいったところ、続けて飲むように言われたそうです。

この症例のミスは以下のように考えています。
1、むくみの虚実の判断は間違ったことです。張るような浮腫なので、虚証をメインとすることが出来ません。
2、標本の関係について大小便の二便が滞っている場合、先ず二便を通じさせるという治標の方法で対応すべきで、
  補剤を服用するように進めてはいけません。
3、邪気を補ってはいけません。この患者の状態を見ると、実証の可能性が極めて高いです。
杞菊地黄丸と参茸補血丸は、補う力が非常に強いものですが、邪気を取り除かないで、
このような補剤を服用させると、邪気を補うことになります。
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About 中医学アカデミー

90年に日本へ来日して以来一人でも多くの方へ中医学の正しい知識を身につけて頂きたいという思いで普及活動を行って参りました。 日本中医薬連合会においては多くの国際中医師を輩出してきました。 この日本で優秀な漢方医がたくさん育つことが私の夢であります。 中医学アカデミー http://www.iatcm.com
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