当帰という生薬は、温性と潤性をもち、卵巣に対しても良い作用があり、血虚による便秘の治療にも効果的であることから、女性の美容と健康にいいと言われます。
“妻が毎日これを飲んでいれば、夫はどこにいても必ず飛んで帰ってくる”という中国の故事から「当帰」と名付けられ、美女を育てる生薬とも言われました。
現代でも女性疾患に効果が高いとして、よく勧められる生薬の一つです。
一見素晴らしい生薬に見えますが、痰湿、陰虚・火旺の人は、当帰を飲めば病気を悪化させることになりますので、服用は要注意。当帰には補血作用ともに活血作用もあるということを忘れてはいけません。
痰湿、つまり体がいつも重たい、痰がからんで消化不良の症状がある人が当帰を飲めば、消化吸収の力が下がり、下痢になったり、貧血がひどくなるでしょう。
体がいつもほてっているような人が飲めば、ほてり症状がひどくなるのでご注意ください。
当帰を使用する弁証の原則は、まず陰虚がないかチェックすることですが、もう一つ、ほかの生薬との配合がとても重要になります。
中医薬の治療では、1つの生薬に頼りきるのはNG。漢方薬が効くかどうかはこの配合にかかっているといっても過言ではありません。
方剤学ではこのような生薬の配分や配合を学びます。
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