漢方薬は、診断正しく適切な薬を処方できれば、本来はとても良く効くものです。日本にも既にたくさんの良い漢方薬がそろっています。でも、間違った見立てをすれば、効かないどころか悪化させることもあります。
たとえば、万能薬のように思われがちな朝鮮人参ですが、中国には、「人参既可以救人也可以殺人(人参は人を救えるし、病気を悪化もさせる)」という言葉があります。物騒ですが、この言葉を漢方のプロたちは心に刻んでいます。
実証に朝鮮人参を単独に投与すると、病気をますます悪化させますし、朝鮮人参を適切に配合して活かされれば、虚証に属する病気の改善に非常に役立ちます。
効く漢方薬を出せるかどうかは、患者一人一人の症状の判別(証の見立て)を本当に正しくできるか、という、漢方のプロの腕にかかっています。