こんな話を聞きました。
平素から陰虚の方で六味丸を勧められて服用を開始してから、腎陰虚の症状がかなり改善されたそうです。ところが、今夏になって腎陰虚の症状が再び現れ、更に排尿不利、食欲が低下する、五心煩熱が悪化し、六味丸の効果が悪くなってきたと言うのです。
この方は、六味丸が変質したのか、患者が六味丸をきちんと飲んでいたか、製造メーカに問題があるのではと思い、今回服用した六味丸のロット番号を調べて、製造メーカに問い合わせようと考えています。
このようなことで悩むことはよくあるのではないでしょうか?
解決方法としては、まず患者の舌を見ることが重要です。
色が紅いか淡白か、苔は薄いか厚いか、膩苔か乾燥か、歯痕があるか否かなどを確認して、その上で患者の症状に合わせて分析することが大切です。
舌診の状態と症状の特徴から、病因病理の変化までを正確に判断することが非常に重要です。この場合の分析要点は陰虚が本当に残っているか、夏に罹りやすい邪気は何か、その邪気の特徴が何かを明確にして、今の病理特徴は何かを判断しなければなりません。
また、六味丸の配合特徴から、使用禁忌の場合はどのような状態か、様々な角度から探究する必要があります。
そうでなければ、臨床では症状の流れをつかむことができません。
もし腎陰虚がまだ見られるなら、配合の特徴から六味丸の使用禁忌が何ですかなどを探求しなければ、この症例の流れを掴めることができないと思われます。
効果が得られなかったからと言って、メーカや患者の服用に問題があるなどと一方的に考えるのは、医療人としてあってはならないと思います。