欝の現象3→うつ病の過食過眠


うつ病の臨床症状では、過眠過食がある。
過眠は気滞と気虚の症状に属するが、過食は胃火に属する。
よく考えると、同時に出ることがないはずが、一杯食べたら、胃気の動きが鈍くなり、過眠になると思える。
 臨床では、西洋医学の考え方を一方的に理解するだけではなく、中医学の理論を駆使し、其々の症状を分析し、それらの症状の統合性を見つけることも大切である。
過眠と過食と比べると、どっちは一番苦しいか、どっちが先に出たかを聞く必要がある。気滞から始まったか、また胃熱になったか、仮眠から過食までのプロセスを掴む事が目的である。
もし、過眠が先にあって、後は過食の症状が出た場合、中医学のプロとしてその過食と過眠はどう判断するか、その判断基準は何だろうかを考えて結論を出さなければならない。
 昔は殆ど寝られなかったが、最近ぐっすり朝八時まで寝られる現象は正常か否かを判断するか。
ということは、患者の言葉は100%信じてはなく、訴える内容を冷静に分析する必要がある。
 胃気の気滞に半夏厚朴湯を、胃火に黄連解毒湯を中心にして方剤で組み合わせる。
 その中で逍遙散或いは四逆散などの加減が必要とする場合がある。其々の方剤を深く理解する必要がある。臨床講座では、うつの判断基準、病気のプロセス的な変化、対応方法、方剤の組み合わせについて詳しく検討するつもりである。

About 中医学アカデミー

90年に日本へ来日して以来一人でも多くの方へ中医学の正しい知識を身につけて頂きたいという思いで普及活動を行って参りました。 日本中医薬連合会においては多くの国際中医師を輩出してきました。 この日本で優秀な漢方医がたくさん育つことが私の夢であります。 中医学アカデミー http://www.iatcm.com
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