大量に葉酸を(人工的に合成されたビタミンB9)を摂取すると、ウイルス感染症やガンと闘うための免疫力が衰えるというデータが、最近のタフツ大学の研究で出ています。
葉酸といえば妊婦に積極的な摂取が奨励されている栄養素として皆さんご存じかと思いますが、さらにデータでは、閉経後の女性の78%で葉酸が代謝されないまま血流中に存在していて、彼女たちのNK(ナチュラル・キラー)細胞の活性も低いというのです。
では葉酸は摂っていいのか、悪いのか。この問いに誰もが当てはまる答えはありません。
陰陽の論理で考えれば、どんなものでも良い面と悪い面があるものです。
ところが現代の情報が氾濫し、サプリや体にいい食べ物なども良いデータだけを載せていることが多く、これは中医学的にみても、また哲学的にみても非常に危険だと思います。
必要な体に使えば効果的でも、その人の体には要らないものを、“「飲めば効く」と言われているから”と摂取することは、自然の論理に反します。だから具合が悪くなるのです。
中医学は自然の医学の一つ。自然のルールに従って治療します。
ただし、陰陽の理論通り、体に必要な人には効くけれど、取り過ぎは禁物という漢方薬はたくさんあります。体に本当に必要かどうかの診断なしに「効くらしいから」と飲むことが、副作用が出る、とか、効果が薄い、という例が数え切れないほど出ている原因だと思います。
漢方のプロは、今の体にどんな力や働きが足りないのか、もしくは使われてないのかをチェックする能力があります。このような能力を弁証の能力といいます。
そして、弁証の結果に従って、体に足りない部分を補い、多い部分を取り除くことで治療していくのが漢方の原則です。この能力を論治の能力といいます。
この2つの力があれば、自分や家族の体を守り、不要な薬害を防ぐことができます。
中医学の基礎理論はこれらの力を身につける学問です。
漢方の勉強は「国際中医師アカデミー」