肩と首の間が凝るのは、中医学的には非常によくない状態です。
背中には陽気が走っており、この陽気が何らかの影響によって滞ると、肩凝りという症状も生じます。このような場合は、単にコリを揉みほぐすのではなく、陽気が滞った原因を調べて解消しなければなりません。
瘀血によって気の流れが悪くなることもあれば、肺、脾、肝、腎など、臓器が病気になったときも、陽気の流れに影響を与えます。
たとえば、肝に気滞があれば肩凝りを起こしますし、肺気を発散させ気の流れを調節する肺の機能に問題がある場合も、肩凝りにつながります。
また、脾と胃には気の上昇と下降を調節する力がありますが、この上昇と下降のバランスが崩れることによっても肩凝りを引き起こします。
腎に貯えられる「腎の精気」が足りない場合は、上昇や発散する「気」自体が不足するため、気が停滞します。そういう場合も肩凝りになっていくのです。
以上、それぞれについて本当はもっと原因がありますが、もし毎日慢性的な肩凝りがあるのであれば、五臓になにか問題があったり、身体機能が乱れている証である可能性がとても高いので注意が必要です。
そのような肩凝りは、ただ局部のマッサージをすれば治るものではありませんので、弁証論治に従って早めに内臓をきちんと治療することをお勧めします。