経血量が少ない場合は「血虚」によるものだけでしょうか?
以前に相談された例をご紹介いたします。
-症例 40代、女性、痩せ型-
40代になって経血量が徐々に少なり、月経周期もだんだんと長くなってきました。
漢方相談薬局に相談にいったところ、症状についてそれほど聞かれることもなく「血虚」と言われ「血」を補いましょう・・と、いうことで
「四物湯」を勧められたそうです。期待するほどの効果が得られず、再び相談に行ったところ、「漢方薬の効き目は緩やかなのでもう少し様子を見ながら服用を続けましょう。」と言われたそうですが、ご本人はあまり納得できなかったようです。
-経血量が少なければ血虚と判断してもよいか-
血虚の改善の代表的な方剤である四物湯ですが、
40代で経血量が少ない場合から考えると単純に血虚と判断してもよいものでしょうか?
この方の場合は、相談先である漢方薬局でそれほど詳しい問診はなかったそうです。
本来、40才という年齢を考慮すれば腎陰が少しずつ減少して当然ですし、体も痩せていることからも腎陰の不足は十分に考慮し、問診をしなければなりません。
排尿に関して問題はないか、足腰が疲れやすくなっていないか、皮膚や口が乾燥していないかなど腎陰不足を判断するための問診も必要です。また同時に脾胃に関して問題がないか確認も必要です。
中医基礎理論のテキストには、「腎陰不足では体の消痩、経血量が少ない」と、記載もあります。
経血量が少ないから「血虚」と結びつけてしまうのではなく、身体に表れる症状を多方面から判断するべきです。
このような土台を作るためには、
中医基礎理論や中医診断学の教科は必要ななります。
-その他-
二度目に相談に行った際、「もう少し様子を見ましょう」という説明も言葉が足りません。この場合、四物湯の服用でどのように症状が改善するかなど説明するべきです。安易に「様子を見ましょう」という説明ではなく、なぜ様子を見る必要があるのか、説明を加えて差し上げたいところです。
臨床の効果を高めるために、まずなぜ効かなかったかを分析し、その原因を掘り出さ無ければなりません。そして新たな判断に必要な問診順序を考えるべきではないでしょうか。
「経血量が少ない=血虚」ではありません。
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