自然の医学である中医学では、自然と同じように人間の体も春(生)→夏(長)→秋(収)→冬(蔵)と変化していくと考えます。
冬の蔵とは、冬眠でもわかるように、すべての生命体がエネルギーを節約したり蓄えたりしている状態です。そして春はそのエネルギーを発散し、成長していく時期。これが転換期です。
五臓すべてが転換期になりますが、その中でも特に肝の疏泄機能を助けることが大切です。
そのために中国では古くから、「春には縛っていた髪をほぐせ」などと言われました。
リラックスのすすめです。
朝のブラッシングを普段より多めに丁寧にしたり、心静かに散歩したりして、運動したり、ゆったりと気を発散させることが、肝の疏泄作用を応援すると考えられてきました。
陽射しがあってもまだ薄着は控えて、少し汗ばむぐらいの服装がベター。体を締め付けるような窮屈な服も避けた方がいいでしょう。
陽気を発散させる作用のある菊花茶を外で飲むのも、この時期のお勧めです。
この時期に五臓の転換がうまくいかないと、イライラする、眠れない、というような症状が表れますし、夏以降にもいろいろと体調不良を生じやすくなります。
健康な一年を過ごすためにも、春の養生は「ゆらゆら」でいきましょう。