今朝の読売新聞
―「医療ルネッサンス」市販薬と付き合う―
「効能効果の過剰な表現」と題した記事が目に留まりました。
読んでみるとナイシトールは防風通聖散であると書いてあります。
この方剤は、実熱の便秘(内実とも言う)を伴い
風邪(表証の一つ)への治療に優れています。
ところが虚弱な体質(中医学では虚証に属する)が
防風通聖散を服用すると副作用が生じる恐れがあります。
メーカーが示した効能について批判するつもりはありませんが
「皮下脂肪が多く便秘がちな人の肥満症や高血圧に伴う動悸・肩こり」
とされおり中医学の解釈ではこのような効能書に「ずれ」があります。
中医学の考えでは、虚証の人が服用すればもっと疲れやすく、
頑固な便秘症がますます酷くなり、風邪を引きやすくなり、
生理不順などなどとなる恐れがあります。
伝える側も消費者側も漢方薬への理解不足では、
このような事例は後を絶たないでしょう。
そもそも日本では、正しく中医薬が理解されておらず
このようなケースが後に耐えないのでは、と危惧しています。