連日、熱中症の予防に水をこまめに飲むこと、水に砂糖と塩を加えた「経口補水液」の作り方などなどのニュースが報じられています。
中医学では、夏は「暑邪」によって体が傷つけられると考えています。「暑邪」は夏の熱い時期にしか見られない邪気のひとつで、体へ大きな影響を及ぼします。
暑邪は「湿」と「熱」が混ざっているもので、津液と気を傷つける特徴があります。
湿邪は脾胃を傷つけますので、過度に水分を摂取すると脾胃に負担をかけ、脾の働きのひとつである運化作用に影響を及ぼします。
また、大量の汗と共に「気」がたくさん消耗するので水液の代謝にも影響が生じます。
中医学からみると平素から気虚や脾胃弱の方は、過度に水分を摂取すると、かえって体調を崩しかねません。中医学には、このような方に対応できる素晴らしい知恵があります。