脳の働きを活発にするには、腎の精気を高めるだけではなく
五臓のバランスを整える事も重要です。
今回は、補腎の効果を上げるために
肺と腎のバランスについて考えてみようと思います。
五行では肺は腎の母です。
腎を「精気」のダムに例えるなら、肺は「雨」としましょう。
雨が降らなければダムの水は不足し、
ダムの水が蒸発しなければ雲の原料も少なくなります。
このような関係を金水相生といいます。
腎を補うためには肺の働きが正常であることが重要です。
臨床では腎の精気を効率よく養うために
補腎+補肺の組み合わせがよいでしょう。
陰虚なら麦味地黄丸+胡桃、
陽虚なら八味地黄丸補骨脂と胡桃
胡桃は補腎と補肺に優れているので
胡桃を補腎時に加えることで雲とダムの水を
同時に増やすことが可能になり、
雲を雨に変え循環するので納気作用が強まります。
腎と肺の働きが強まれば、「脳の力」が高まる
と言ってもよいのではないでしょうか。
「脳の力」が不足すると仕事の効率や思考力が低下します。
学生では、学習意欲が低下し集中力がない、
成績が上がらない、
高齢者では、記憶力が著しく低下するなど
これらは、腎と肺の精気不足が考えられます。
また腎と肺の精気不足は、喘息・高血圧・高脂血症・
頭痛・眩暈などの慢性病にも繋がります。
このような腎精不足に属する
「脳の力」の低下や慢性疾患には腎と肺を補う治療方法が有効です。
胡桃エキスがたっぷり入った補精源を
八味地黄丸や麦味地黄丸など併用して 「脳の力」が高めましょう!