疲れに帰脾湯と西洋人参がなぜ効かなかったか


先週、打ち合わせに来た方の話です。
ある方は、身体がだるく、口渇、汗が多く、軟便などの症状があったため、
友人が帰脾湯や西洋人参を薦めてくれたので服用したそうですが、
それほど体調に変化が見られませんでした。
帰脾湯や西洋人参を薦めた方は、
きっと汗と一緒に気が消耗したと考えたと思います。
しかし、よく症状を聞いてみると体が非常に重い、口渇の症状だけではなく、
腹痛で温めて痛みが緩和する、下痢、げっぷなどもあるそうです。

最近、東京は湿気を多く含んだ涼しい風が吹いていたので、
寒湿によって生じた気の滞りという病証として判断し、
寒湿と気滞を取り除く?香正気散と理気剤を飲ませてあげました。
先ほど、連絡があり下痢や腹痛がすっかり楽になり、疲れと口渇もよくなったそうです。
疲れの原因には、気虚もあれば、湿邪による気滞もあります
口渇の原因には、気虚もあれば、湿邪による気滞もあります。
西洋人参の効果が悪いことではなく、診断のミスであると考えられます。
このようなミスを最小限まで防ぐために、
中医基礎理論と診断学をもう一度勉強する必要があります。

About 中医学アカデミー

90年に日本へ来日して以来一人でも多くの方へ中医学の正しい知識を身につけて頂きたいという思いで普及活動を行って参りました。 日本中医薬連合会においては多くの国際中医師を輩出してきました。 この日本で優秀な漢方医がたくさん育つことが私の夢であります。 中医学アカデミー http://www.iatcm.com
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