ある相談から思いついたこと


読売新聞11月1日の人生案内の部分に載った相談内容
 
 娘さんは結構な額の給料を貰ったが、両親が苦しい生活に強いられているに関わらず、毎月一万円ほどの家計に入れるだけで、自分が好きなものを購入するばかりで、お母さんはどうしたらいいのかを相談したらしいです。
 
読んだら、まずこの娘さんは利己しすぎるかな、この『利己主義』はご両親の甘い教育により生まれた結果だと思います。
 
その原因を分析すると、以下のように理解しています。
 
娘は今まで努力しなくてもほしいものがご両親から得られるので、今一万円でも良いでしょうか。後は自分の好きなものに使えばいいと考えたかもしれません。
 
ご両親から見ると自分の子供ってやはり可愛い!もっと楽しく遊ばなければならないよ……とか、もっと幸せしてほしいなどという『親の愛情からの願望』は成人までずっと働いているかもしれません。
 
結局、子供を育つ目的は、子供に正しい道を歩ませるためなのか、楽しめさせるためなのかは曖昧だと。
 中医学の教育では、同じような問題があるように思えます。
 
 自分の欠点をよく見つけ、謙遜の気持ちでいつも自分のことを改善し、弁証論治のレベルを高め、治療効果をどんどん上げるために努力するという人間を育つか?
 ちょっと勉強したら、自慢してしまう。得た知識で自分の格好をつけるので、この欲望のために努力する生徒を育つか?
 日本では、中医学の勉強会は多いが、病気を治すために一緒に検討して勉強し共に成長するという雰囲気がまだ足りないかなと感じています。
 
 私の先生の言ったことを思い出したが:
 
 『董ぐん、いつも人間が足りないところがあるんだよ、中医学のレベルを上げる前に、まずきちんとした人間になれ、謙遜の気持ちで医療活動をしなさい。同僚と戦うか格好付けかのためではないぞ。目的は病気を治すことにあるだけだよ。絶対忘れるな』ということです。
 私たちは中医学臨床講座を開く目的は、
 一つは参加者の弁証論のレベルアップのために手伝いすることです。
 二つ目は自分の不足をもっと見つけて、もっと皆さんの勉強を手伝いできるように、自分のことを常に改善することです。
 
 三つめは生徒さんと共に成長していこうということです。
 治すという目的を忘れず、臨床で問題を発見するだけでなく、素早く 
 解決できる能力を育つ義務を果たすのは私の最大の宿命であると改め
 
 て痛感しています。

About 中医学アカデミー

90年に日本へ来日して以来一人でも多くの方へ中医学の正しい知識を身につけて頂きたいという思いで普及活動を行って参りました。 日本中医薬連合会においては多くの国際中医師を輩出してきました。 この日本で優秀な漢方医がたくさん育つことが私の夢であります。 中医学アカデミー http://www.iatcm.com
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